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伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 青柳 光裕; 松場 賢一; 神山 健司
Nuclear Engineering and Design, 334, p.90 - 95, 2018/08
被引用回数:9 パーセンタイル:62.99(Nuclear Science & Technology)多孔質媒体を通過する二相流を理解することは、軽水炉のみならずナトリウム冷却高速炉を対象としたシビアアクシデント解析コードを開発する上でも必要なことである。ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故時には溶融燃料と冷却材が相互作用した結果として、多孔質状のデブリベッド内で気液二相流が形成されると考えられる。このような多孔質媒体中における二相流場の特性を明らかにするためには、局所的な空隙率とその分布を把握することが重要である。本研究では、X線ラジオグラフィを用いて球体充填層内における局所空隙率を測定するとともに、その径方向分布を評価し、従来の空隙率モデルと比較した。さらに、球体充填層内を通過する空気と水の二相流におけるボイド率の径方向分布を得た。
榎枝 幹男; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 三木 信晴*; 本間 隆; 秋場 真人; 小西 哲之; 中村 博文; 河村 繕範; et al.
Nuclear Fusion, 43(12), p.1837 - 1844, 2003/12
被引用回数:101 パーセンタイル:93.45(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、高い経済性を有する核融合発電プラント用ブランケットの設計と開発に関するものである。高い経済性と実現性の双方を有する発電ブランケットとして、超臨界圧水冷却方式の固体増殖ブランケットの概念設計を明らかにした。最重要設計項目として、モジュール構造の核特性,熱機械特性に関し基本的な成立性を示した。また、発電システムとして41%以上の発電効率を有することを示し、本方式の経済的な魅力を明らかにした。また、構造体製作技術開発の成果としては、実機構造を模擬する第一壁パネル試験体を用いて、原型炉で想定している最高熱負荷1MW/m に相当する加熱試験を行い、試験体が母材と同等の熱疲労寿命を持つことを実証した。さらに、ブランケット熱設計の要となる増殖材充填層の有効熱伝導率研究に関しては、湿式法で製造したLiTiO を用いて、充填層の有効熱伝導率を明らかにし、裕度のある設計を可能とした。
内田 宗範*; 石塚 悦男; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.499 - 503, 2003/09
被引用回数:26 パーセンタイル:82.89(Nuclear Science & Technology)原型炉用中性子増倍材として期待されているBeTiについて、ブランケット内での熱的特性を評価するために、未照射及び中性子照射したBeTiの熱伝導率を測定した。ベリリウム及びチタンの粉末からHIP法で製作したBeTiサンプル(8 mm2mm) をJMTRで高速中性子フルエンス(E1MeV) 410 n/cmの条件で330,400 and 500Cにおいて照射した。熱拡散率と比熱をレーザーフラッシュ法にて1000Cまで測定し、熱伝導率を計算した。中性子照射したBeTiは、照射による熱伝導率の低下が見られたが、充填層の有効熱伝導率を計算モデルにより推測したところ、十分に設計可能な範囲内であった。
河村 弘; 菊川 明広*; 土谷 邦彦; 山田 弘一*; 中道 勝; 石塚 悦男; 榎枝 幹男; 伊藤 治彦
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.263 - 267, 2003/09
被引用回数:3 パーセンタイル:25.79(Nuclear Science & Technology)JMTRにて中性子パルス運転模擬照射試験体の照射試験を行い、ITERブランケットテストモジュールを設計するうえで必要不可欠な中性子照射下のチタン酸リチウム(LiTiO)微小球充填層中の見かけの熱拡散率を調べた。定速昇温法により測定した結果、LiTiO微小球充填層の見かけの熱拡散率は、照射温度と中性子照射量の増加とともに減少することがわかった。一方、スイープガス流量の影響は、0600cm/minの間では見られなかった。
秦野 歳久; 榎枝 幹男; 鈴木 哲; 古作 泰雄; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 44(1), p.94 - 98, 2003/07
被引用回数:24 パーセンタイル:81.86(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットの開発において、微小球充填層の有効熱伝導度を少ない試料体積で精度良く測定する方法として熱線法を採用し、各種候補増殖材微小球についての系統的なデータを取得してきた。試料には候補増殖材であるLiTiOを用い、充填層として直径2mmのみの微小球充填層と、それに直径0.3mm以下を加えた微小球の混合充填層について有効熱伝導度を測定した。圧縮荷重がない場合一次球充填層に対して混合充填層の熱伝導度は上昇し、それらはSZB式と精度良く一致することを確認した。さらに、ピストンにより充填層に荷重を加えて熱伝導度を測定すると歪に対する熱伝導度の傾きが一定で歪1%につき0.035W/mK増加する結果が得られた。これより原型炉ブランケットの増殖材として有望なLiTiOについて微小球充填層の有効熱伝導率を測定し、混合充填と荷重の及ぼす影響を初めて明らかにした。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; Roux, N.*; Ying, A.*; Pizza, J.*; Malang, J.*
Fusion Technology, 39(No.2 Part.2), p.612 - 616, 2001/03
増殖ペブル充填層の有効熱伝導度は固定増殖ブランケットの設計において重要なパラメータである。IEAの国際協力協定のもとで、固体増殖グループのサブタスクとして、熱線法を用いた各国の候補増殖ペブルを実際に用いた有効熱伝導度の測定を行い、タスクを終了した。測定には、CEAのLiTiO,LiZrO、FZKのLiSiO、日本のLiOをサンプルに用い、425から750までの温度依存データと、圧力0.001MPaから0.2MPaまでの圧力依存データを取得した。えられたデータは過去のデータと一致し、幅広い条件ではじめてデータを精度よく明らかにした。また、得られたデータから、推定式の重要パラメータを決定した。これによって未測定の有効熱伝導度を精度よく推定することが可能となった。
菊池 茂人*; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男
JAERI-Tech 98-059, 75 Pages, 1999/01
ペブル状の増殖材、増倍材が採用される増殖ブランケットの熱・応力解析では、ペブル充填層に特有な熱・機械特性、すなわち、ペブル充填層の伝熱特性が圧縮応力の状態により変化する特性や、せん断力により容易に破壊(流れ)が生じる等の粉体としての機械特性を考慮する必要がある。ここでは、地盤(土壌)解析に使用される弾塑性モデルの一つであるドラッカー・プラガー/キャップモデルを採用するとともに、熱・変位連成解析により伝熱特性の圧縮応力依存性を考慮して、定常時ITER増殖ブランケットの熱・応力解析を行った。解析に必要な、ペブル充填層の熱・機械データは、文献に記載されるペブル充填層の応力-ひずみ測定試験と熱特性測定試験の結果を基に評価した。解析により、現設計のITER増殖ブランケットは、温度の設計条件を満たすことを示した。
原 重充*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 高津 英幸; 吉田 利司*; 佐藤 克利*; 関根 勝久*
Fusion Technology 1998, 2, p.1333 - 1336, 1998/00
トリチウム増殖材及び中性子増倍材のペブル充填構造及び充填特性の把握は、ペブル充填型増殖ブランケットの開発において、重要課題の一つである。本研究では、増殖ブランケットのペブル充填層を模擬した容器を製作し、これに増殖材模擬ペブル及び増倍材模擬ペブルを加振充填して、そのペブル充填率、増殖材キャンの位置変動及び充填率分布の変化を高エネルギーX線CT装置により測定し、ペブル充填特性を評価した。
羽賀 勝洋; 日野 竜太郎; 数土 幸夫; 滝塚 貴和; 向山 武彦; 小川 徹
Proc. of Int. Conf. on Future Nuclear Systems (Global'97), 2, p.1291 - 1294, 1997/00
ヘリウム冷却型消滅処理専焼炉の燃料要素は直径約1.5mmのTRU燃料粒子を充填したラジアルフロー型充填層構造である。充填層内の局部的な温度上昇を防ぎ燃料粒子の健全性を確保するためには、燃料要素内の冷却材流量配分を均一化する必要がある。そこで、模擬燃料粒子としてアルミナ粒子を充填した模擬燃料要素を用いて、常温の空気を0.02m/s(燃料要素入口での流速は140m/s)で流入させたときの燃料要素からの吹き出し流速分布をピトー管を用いて測定した。その結果、燃料要素上部と下部で流出速度が大きく、中間部からの流出速度は非常に小さいことがわかった。このような燃料要素内の流量配分を多数のT型枝管が連結された配管群でモデル化し解析した結果、実験データとほぼ同じ傾向の流量配分が得られた。このことにより、T型枝管モデルを用いて燃料要素内の流量配分をシミュレートできる見通しを得、今後、改良を加えて最適な燃料要素構造を決定することとした。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
武田 哲明; A.Ying*; M.A.Abdou*
Fusion Engineering and Design, 28, p.278 - 285, 1995/00
被引用回数:5 パーセンタイル:49.89(Nuclear Science & Technology)液体リチウムから低濃度のトリチウムを抽出することは、液体金属を増殖材とする核融合炉の研究を行う上で重要な問題である。本報告では、透過窓法とゲッタ法を用いたトリチウム抽出の解析に焦点をあてた。液体金属中のトリチウムの非定常質量保存式と透過管内を移動するトリチウムの非定常拡散方程式を解き、透過管の拡散率に対する影響を調べた。ゲッタ法においては、トリチウムの過渡応答曲線をゲッタ材の特性、運転条件、平衡吸着データ及び物質伝達率の関数として特徴づけることが重要である。解析は液体リチウムの運動量保存式と充填層内のトリチウムの質量保存式及び粒子内へのトリチウム拡散方程式を解いた。トリチウムの過渡応答曲線はゲッタベッド内の中心と壁付近の領域とでは大きく異なること等を示した。
榎枝 幹男; 佐藤 聡; 倉沢 利昌; 高津 英幸
Proceedings of 15th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering, p.282 - 285, 1993/00
ITER増殖ブランケットとして、日本はペブル充填多層ブランケットを提案している。この型のブランケットの設計においては、増殖材,増倍材充填層の有効熱伝導度は重要不可欠な設計データの一つである。本研究では、実材料を用いて充填層有効熱伝導度の測定を行った。測定は、実材料である酸化リチウム,ベリリウムの1mm微小球約500ccを、外部加熱中心冷却式同筒型測定セルに充填し、ヘリウムガスを封入して行った。測定した結果、酸化リチウムについては、温度範囲約200C~650Cで約0.9W/mKの値が得られた。ベリリウムについても、温度範囲200C~450Cで既存の予測値と整合性のあるデータが得られ、ブランケット設計に必要不可欠な重要データを得ることができた。
榎枝 幹男; 吉田 浩; 平田 慎吾*; 石田 勝敏*
JAERI-M 92-104, 29 Pages, 1992/07
ITER用ブランケットとしてわが国が開発を担当しているブランケットは、1mmの増殖材、増倍材ペブルを各々独立に充填した充填層を交互に配置する構造となっている。このようなブランケットの熱的挙動は、ペブルの充填状態により大きく影響を受けるため、ITERの運転特性を考慮した安定性の高い充填層を実現することが必要である。標記試験装置は、実ブランケットを模擬したステンレス鋼製パネル試験体、アクリル製試験体、加振機及び計測系で構成され、工学規模の試験体による充填特性(静的及び動的特性)を把握し、ITERブランケットの設計及び製作に反映することが可能となっている。
山野 憲洋; 丸山 結; 阿部 豊; 早田 邦久
AIChE Symp.Ser., 83(257), p.341 - 346, 1987/00
原子炉のシビアアクシデントを圧力容器内で収束させるためには形成されたデブリベッドを冷却する必要がある。PWRでは圧力容器内に注入された水はダウンカマ内に蓄積されその水頭によりベッドへと注入される。そこでこの状態を模擬した体系で実験を行うとともに、計算機モデルを作成して実験結果と比較した。実験により、ダウンカマとデブリベッドに僅かな水頭差があればドライアウト熱流束が大きく増加することが判明した。また、モデルによる予測結果は実験結果とよく一致した。モデルの開発過程において、通常充填層中の気液二相流に適用される運動量保存の式は液の量が少い場合には圧力損失を大きく評価するため、ドライアウト状態近くのベッドの圧力損失を過大評価する可能性があることが判明した。このため、同様な体系に対する従来の研究ではドライアウト熱流束を過小評価している恐れがある。
永石 隆二; 井上 将男; 松村 太伊知; 山岸 功; 日野 竜太郎; 小川 徹
no journal, ,
これまで福島第一原子力発電所の汚染水処理での水素安全のため、多孔性のゼオライト吸着材が共存した純水、海水等の水溶液の放射線分解による水素発生の研究を行ってきた。ここで、海水成分の純水への溶解に伴う水素発生の増大とともに、ゼオライトの水溶液への添加による水素発生の増大を確認してきた。本研究では、このゼオライト添加による水素発生の増大をゼオライト充填層中で水が侵入する異なる二つの間隙に着目して考察した。さらに、水素と対で生成する、過酸化水素のゼオライトへの接触に起因した酸素の発生についても議論した。